テスラが“大衆車”に、「3年以内に2万5000ドルEV」とマスクCEO
米Tesla(テスラ)は2020年9月22日(現地時間)、価格を2万5000ドル(1ドル=105円換算で約263万円)に抑えた電気自動車(EV)を23年までに市場投入する計画を発表した。低コストなリチウムイオン電池の内製化にめどを付け、大衆車市場に打って出る。
「2万5000ドルのEVを製造することは会社を始めたころからの夢だったが、3年以内には実現できると確信している。しかも、自動運転機能を搭載して」――。同社CEO(最高経営責任者)のElon Musk(イーロン・マスク)氏が、同日に開いた電池関連の新技術を発表するイベント「Battery Day(バッテリーデー)」で宣言した(図1)。
テスラが現在販売しているEVで最も低価格なのは小型セダン「モデル3」で、米国での価格は3万7990ドル(約399万円)から(図2)。新型EVは、モデル3から1万ドル以上の低価格化を目指す。
電池は新型の「4680」セルに
コスト低減に向けてカギを握るのが、搭載するリチウムイオン電池の改良である。テスラで電池開発を主導するAndrew Baglino(アンドリュー・バッリーノ)氏(Senior Vice President, Powertrain and Energy Engineering)はバッテリーデーで、「開発した技術を積み重ねることで、電池パックの単位容量あたりのコスト(ドル/kWh)を従来品から56%低減できる」と説明した。
コスト低減策の1つが、電池セルの形状を変更することだ。テスラは「Roadster」や「モデルS」、「モデルX」には、ノートパソコンなどに使われていた直径18mm×長さ65mmの「18650」と呼ぶセルを搭載する。その後発売したモデル3や「モデルY」には、18650セルよりも一回り大きい直径21mm×長さ70mmの「2170」セルを採用した(図3)。
今回のバッテリーデーで公開したのが、直径46mm×長さ80mmの「4680」と呼ぶ新しい寸法の円筒型セルである。2170セルからさらに体積を増やすことで、1本の電池セルに搭載できる正極/負極の活物質の割合を高める。相対的に、重く高コストな外装のアルミニウム(Al)合金の使用量を減らせる。
テスラは既に、4680セルの試験生産を開始している。マスク氏によると、「1年以内に年産10GWhまで生産能力を高めていく」という。
ソース:テスラが“大衆車”に、「3年以内に2万5000ドルEV」とマスクCEO | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)