テスラに対抗!中国EV三銃士が販売する電気自動車を紹介しよう
Nov. 18, 2021
- 中国の電気自動車スタートアップ3社が躍進ししている。
- 上海蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng)、理想汽車(Li Auto)の3社は、最も重要になりつつある市場でテスラ(Tesla)に挑戦している。
- ここでは3社の概要と、各社が販売するハイテク・モデルを紹介する。
上海蔚来汽車(NIO)
上海に拠点を置く上海蔚来汽車(NIO)は、自動車業界に販売サービスを提供して富を得た億万長者のウイリアム・リー(William Li)によって2014年に設立された。上海蔚来汽車は、現在3つのモデルを販売しており、2022年初頭には4つ目のモデルの発売を予定している。同社はすでに中国で約14万台の納入実績があり、ヨーロッパにも進出している。
上海蔚来汽車 ES8
6万7000ドル(約763万円)のフルサイズSUVのES8は、航続距離360マイル(約580キロメートル) で、6人乗りと7人乗りの2種類があり、他のモデルと同様バッテリー交換方式を採用している。
つまり、一般的な電気自動車のようにプラグを差し込み充電する必要はない(もちろん可能ではある)。代わりにオーナーはバッテリーステーションに車を停め、充電切れのバッテリーを取り外して満タンのバッテリーを取り付ければいい。
上海蔚来汽車 ES6
ES6は、ES8よりも小型でスポーティなモデルで、0-100km/h加速が4.7秒、航続距離は379マイル(約610キロメートル)だ。ES6は、ES8のようなゆったりとした座席ではなく、スポーツシートを採用している。価格は約5万6000ドル(約638万円)から。
上海蔚来汽車 EC6
EC6は、人気が高まっているクーペスタイルのSUVに挑戦したもので、後部のルーフが傾斜しているのが特徴だ。テスラ(Tesla)のモデルY(Model Y)に似た形状で、上海蔚来汽車の他のSUVよりもスピ―ドが出る。
価格は約5万7000ドル(約650万円)からで、最も豪華な内装と最大容量のバッテリーをオプションで付けると8万ドル(約910万円)を超える。このプレミアムな車は、洗練されたインテリア、大きなタッチスクリーン・ディスプレイ、運転支援技術のニオ・パイロット(Nio Pilot)などを備えている。
上海蔚来汽車 ET7
2022年初頭に発売されるET7は、ポルシェタイカン(Porsche Taycan)やテスラのモデルS(Tesla Model S)などの高級電動セダンに対抗するモデルだ。上海蔚来汽車によると、同社最大のバッテリーを搭載した場合、0-100km/h加速は3.9秒で、少なくとも600マイル(約965キロメートル)を走行できるという。これは現在販売されているどの電気自動車よりも長い後続距離だ。価格は約7万ドル(約797万円)からになる予定。
小鵬汽車(Xpeng)
2014年に創業した小鵬汽車は、現在、3つのモデルを販売している。同社は高度な自動運転技術を有していて、将来のモデルについて壮大な計画を立てている。
小鵬汽車 G3
上海蔚来汽車のSUVはクールだが、ありきたりな感じがするかもしれない。しかし小鵬汽車のG3は別世界から来たもののように見える。
先の尖ったヘッドライトや全体的な形状はシボレー・ボルト(Chevrolet Bolt)のような雰囲気を醸し出しているが、G3は間違いなく独自のものだ。小鵬汽車によるとフル充電で323マイル(約520キロメートル)走行可能。残り30%のバッテリーを80%まで30分で充電できるという。ベースモデルの価格は約2万3000ドル(約262万円)となっており、テスラよりもはるかに低価格だ。
小鵬汽車 P7
中国での販売価格は補助金を含めて約3万6000ドル(約414万円)で、小鵬汽車がテスラのモデル3をターゲットにしていることは明らかだ。
小鵬汽車は、バリエーション豊かな4つのモデルを販売している。P7のスーパー・ロング・レンジ(The Super Long Range )仕様は、満タンのバッテリーで438マイル(約705キロメートル)の走行が可能だという。同社はP7にランボルギーニ風のシザーズドアを付けた限定版も設定している。
小鵬汽車 P5
小鵬汽車は最近、最新モデルのP5というセダンの出荷を開始した。補助金を受けた後の価格は2万5000ドル(約285万円)以下になり、価格はテスラのモデル3の3分の1以下に抑えられている。
より高価なモデルには、周囲の環境の3Dマップを作成するLiDARが内蔵されている。LiDARは自律走行を実現するための唯一の手段であると考えられているが、一般の自動車にはほとんど搭載されておらず、イーロン・マスク(Elon Musk)も絶対に使わないと決めている。最も安価なP5の航続距離は、286マイル(約460キロメートル)だ。
理想汽車(Li Auto)
理想汽車(Li Auto)は2015年に立ち上げられ、現在、理想ONE(Li One)という1台だけを生産している。それでも中国のホットなEV自動車市場の中で存在感を発揮しているプレーヤーだ。理想汽車は2020年初頭に納車を開始して以来、10万台近くを販売している。
理想ONE(Li One)
理想汽車が販売する唯一の車は、フルサイズ6人乗りSUVの理想ONEだ。中国市場では重厚でエレガントな外観の自動車が好まれるが、理想ONEはまさにその条件を満たしている。
理想汽車はライバル企業とは異なるアプローチを取っている。理想ONEはプラグインハイブリッドのSUVで、大容量のバッテリーに加えてガスエンジンを搭載している。プラグインハイブリッドは環境面では電気自動車と同様のメリットがあるが、充電ステーションが見つからずに立ち往生する心配がない。