テスラ新工場で多額の損失とマスク氏指摘-増産に取り組む過程で発生
6/23(木)
マスク氏は22日にオンラインで公開されたシリコンバレーのテスラ車オーナーとの動画インタビューで、「ベルリンとオースティンの工場は現在、いずれも多額の現金を燃焼している状態だ」と語った。インタビューは5月31日に収録された話し合いの模様の一部。
今回公表されたマスク氏のコメントは、同氏が人員削減を決定するまでの数日間のテスラの状況について垣間見る機会を新たに提供するものだ。マスク氏は21日、カタール経済フォーラムでのブルームバーグ・ニュースのジョン・ミクルスウェイト編集主幹とのインタビューで、テスラが今後3カ月間で給与所得者(固定給従業員)を約10%削減し、全体で最大3.5%程度の人員削減を実施すると語った。
マスク氏、今後3カ月で固定給従業員10%減-全体で3.5%を削減へ
マスク氏は5月31日のインタビューで、オースティン工場で新しい「4680」電池などを使用する「モデルY」増産を迅速に進めるのに苦戦したことも明らかにした。同社は4月の株主宛て書簡で、テスラ車への旺盛な需要に対応するためオースティンでは旧型の「2170」電池でもモデルYを製造すると説明していたが、マスク氏によると、それに必要な部品が中国で足止めになったという。
マスク氏はオースティン工場が直面する問題について、「これは極めて迅速に解決されるだろうが、非常に多くの注意を要し、大量生産には工場建設よりもずっと多くの努力が必要になる」と語った。ベルリン工場については、「2170」電池を使用する車両生産に備えさせたため、オースティンよりは「やや良い状態」にあると説明した。
オースティン、ベルリン両工場の苦戦は、中国の新型コロナウイルス対策の上海工場への影響と重なったとマスク氏は指摘。インタビューが行われた5月末時点で、テスラは中国政府の制限措置による生産の大幅な落ち込みや根強いサプライチェーン問題から立ち直ろうと取り組んでいた。