中国BYD、テスラを抜きEV販売で世界首位 23年10~12月期
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2023年10~12月期の電気自動車(EV)の新車販売台数で、中国EV大手の比亜迪(BYD)が52万6409台となり、最大手の米テスラの48万4507台を上回った。四半期ベースでBYDはテスラを上回り、初めて世界首位となった。 【写真まとめ】ソニー・ホンダ EVブランド「AFEELA」試作車 両社が2日までに、それぞれの販売台数を発表した。23年通年のEV販売は、BYDの157万4822台に対し、テスラが180万8581台で、年間ベースではテスラが首位を維持した。 ただ、BYDのEV販売は前年比72・8%増だったのに対し、テスラは37・7%増にとどまっており、24年は年間ベースでもBYDが上回る可能性もある。世界的に普及が進むEV市場のトップを巡り、今後の両社の競争が注目される。 BYDの23年7~9月のEV販売台数は43万1603台で、テスラの43万5059台を猛追していた。 BYDは1995年に広東省深圳市で創業。元々バッテリーメーカーだったが、03年に国営自動車メーカーを買収して自動車事業に参入、09年にEVの量産を始めた。22年3月末にガソリン車の生産を終了し、EVとプラグインハイブリッド車に特化。23年の総販売台数は約301万台で、自動車メーカー別で初の世界トップ10入りも見込まれている。 BYDの急成長は、EVなど新エネルギー車が新車販売全体に占める割合が約3割のEV大国である中国市場を拠点としているだけでなく、車載電池を自社で製造し、コスト低減につなげている面も大きい。中国国内では激しい値下げ競争が起きており、各社の収益は悪化しているが、BYDの23年7~9月期決算では、最終(当期)利益は前年同期比82%増の104億元(約2000億円)と大幅増益を確保した。 近年は海外進出も加速しており、タイやシンガポールなどの東南アジアや欧州でも販売を伸ばしている。日本市場にも23年1月末に参入し、25年末までに販売店を全国100店舗に広げる計画だ。 さらに23年末には、ハンガリーに欧州初の工場を今後建設することも発表した。欧州などで中国製EVへの輸入急増を警戒する声が強まる中、今後の規制強化の回避にも動き始めている。