日産が全固体電池で達成、セルレベルで急速充電性能3倍
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日産自動車は、電気自動車(EV)向け全固体電池の開発において、電池セルレベルで電解質が液体の現行のリチウムイオン電池と比べ、約3倍の急速充電性能を達成した。土井三浩常務執行役員は「通常充電性は低温になると悪化するが、常温の25度Cでも良好な充放電ができる」と述べた。 日産は8日、同社の総合研究所(神奈川県横須賀市)に設置した全固体電池のセルを試作生産する設備も公開した。同設備では次の開発段階となる試作ラインでの量産試作に向け、材料、設計、製造プロセスの仕様などを検討する。 同社は2021年に全固体電池の量産に向け、24年度までに横浜工場(横浜市神奈川区)に試作ラインを設置し、26年度までに1400億円を投じる計画を発表した。セルの試作生産設備や試作ラインを通じて量産技術を確立。28年度までに現行電池と比べ充電時間を3分の1、エネルギー密度を2倍に高め、価格競争力にも優れる全固体電池の実用化を目指している。