EVインフラ整備へ、シェルのガソリンスタンド1000か所売却と充電ステーション建設の取り組み
2024.03.24
シェルは、包括的なエネルギー転換戦略を発表しました。シェルは輸送の脱炭素化を主導し、グローバルなプレゼンスと革新的な能力を活用して、顧客と環境の進化する要求に応えていきます。報告書は次のように記載されています。
「石油需要の伸びはこの10年の後半には鈍化し、2030年代には減少に転じると考えています。」
EV充電ネットワークの拡大: 将来を見据えたアプローチ
自動車部門は岐路に立たされており、世界全体で約13億台の自動車が、世界の石油生産の4分の1を毎日消費しています。電気自動車市場はこれに対応し、2018年には新車販売台数の3%未満だったのが、2023年には18%にまで急成長しており、道路を走るEVの数は現在の4,000万台(テスラが大きくリード)から2030年には2億7,500万台に増加すると予想されています。手頃な価格のEVを提供する中国がこの急増をリードし、欧州と米国がこれに続きます。この電動モビリティへのシフトを支える重要な要素として、充電インフラの拡大が浮上しています。
電気自動車充電インフラの拡大は、シェルの戦略の中核をなすものです。EVの急速な普及を排出量削減の重要な要素であると認識し、シェルは公共充電ポイントの増設を計画しています。2023年末時点で約5万4,000カ所に設置されている公共充電ポイントを、2025年までに約7万カ所に増やし、2030年までに20万カ所にするという野心的な目標を掲げています。このような拡大は、世界的なEV普及の急増に沿ったものであり、利用しやすく便利な充電オプションに対する需要の高まりに対応するものです。
戦略的売却と市場への適応
シェルの戦略には、2024年と2025年に毎年約500カ所のシェル所有地(合弁事業を含む)、合計1000ヵ所を売却することが含まれています。この決定は、中国、欧州、米国など、低炭素ソリューションへの需要が高い市場への戦略的軸足を反映したものです。シェルは、変化する顧客ニーズや広範なエネルギー情勢にポートフォリオを合わせることで、低炭素経済への移行を効率的に進めながら、エネルギー部門における経営の維持を目指しています。
中国・深センにある世界最大のEV充電ステーションは、この分野におけるシェルの取り組みを象徴するものです。258カ所の急速充電ポイントを備え、屋上のソーラーパネルで部分的にパワーを供給するこの施設は、再生可能エネルギーを事業運営に取り入れるというシェルのコミットメントを浮き彫りにし、今後の開発のモデルとなっています。
アンドリュー・マッケンジー会長やワエル・サワン最高経営責任者(CEO)をはじめとするシェルの経営陣は、シェルの戦略的方向性を強く確信しています。イノベーションとグローバル・リーチの重要性を強調するシェルは、その能力を活用して、今日のニーズを満たし、よりクリーンで持続可能な未来への道を開く低炭素エネルギー・ソリューションを提供することを目指しています。
テスラのスーパーチャージャーネットワークは、未来の「ガソリンスタンド」になるために、今後いくつかの競争をするかもしれません。
ソース:EVインフラ整備へ、シェルのガソリンスタンド1000か所売却と充電ステーション建設の取り組み (lowcarb.style)