Perplexityが新ブラウザ「Comet」リリース – AIブラウザめぐる競争に火ぶた

2025年7月10日

米Perplexityは7月9日(現地時間)、AIを活用した独自のWebブラウザ「Comet」をリリースした。Windows用とmacOS用があり、Perplexityの有料プラン「Perplexity Max」(月額200ドル)の加入者が利用できる。さらに、招待制プログラム を通じて段階的に提供範囲を広げていく計画である。同社は今年2月にCometの開発を公表し、5月から招待制による小規模な早期アクセスプログラムを実施していた。

PerplexityはCometを「A Browser for Agentic Search(エージェント検索向けブラウザ)」と位置付ける。従来のブラウザがWeb検索を中心とした設計であるのに対し、CometにはPerplexityのAI検索機能とAIエージェント「Comet Assistant」が統合されており、ホーム画面や新規タブ、アドレスバー、サイドバーなど、さまざまな場所からAIアシスタントを呼び出せる。

従来のブラウザは、ユーザーがキーワードを入力し、検索結果から必要な情報を自ら探し出す「受動的」な利用が中心だった。一方で、Cometは、AIアシスタントがユーザーの意図を理解し、「能動的」に支援を提供する。たとえば、「この記事を要約して」と依頼すると、閲覧中のページを認識してその場で要約を作成する。従来のブラウザでの作業のように、要約のために記事をコピーして、生成AIチャットボットに貼り付ける必要はない。

さらに、ユーザーの指示や目的を汲み取り、複雑な情報収集やレポート作成、メール返信、スケジュール調整、価格比較、SNS投稿の管理など、これまで手作業で行われていたタスクを自動化する。たとえば、複数のオンラインショップを比較する場合、従来はユーザーが一つずつ確認する必要があったが、Cometでは「この商品、他にもっと早く届くショップは?」と尋ねると、他サイトの情報を調査し、比較まで行う。誰でも簡単に、自然な対話を通じて高品質な情報取得や作業完了が可能となる。

PerplexityのCEOアラビンド・スリニバス氏は、独自のブラウザを開発する理由として「エージェントを構築する最適な方法である可能性」と「より良いユーザープロファイルの構築」を挙げている。AIチャットサービスでは把握しきれなかった、たとえば閲覧履歴や操作傾向、メールやカレンダーの内容などの領域からもユーザーのデータを取得できることで、ユーザーの文脈をより深く理解し、検索精度やサポート品質の向上に役立てる狙いがある。

このように、AIブラウザがパーソナルAIをめぐる競争のカギになると考えているのはPerplexityだけではない。Reutersが7月9日に公開した「OpenAI to release web browser in challenge to Google Chrome」によると、OpenAIも数週間中にAIエージェント機能を統合したブラウザのリリースを計画している。

ソース:Perplexityが新ブラウザ「Comet」リリース – AIブラウザめぐる競争に火ぶた|Infoseekニュース