軽EV向け、国内生産視野…AESCが提案する「次世代リン酸鉄リチウムイオン電池」の性能

10/9

AESCジャパン(横浜市西区、鶴山修司社長)は、国内完成車メーカー(OEM)各社に、体積エネルギー密度が三元系リチウムイオン電池(LiB)の前世代品に匹敵する次世代リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)の提案を始めた。現行のLFPに比べてエネ密度およびコストパフォーマンスが格段に高まるという。軽自動車の電気自動車(EV)など安価な電池の需要に対応。国内供給の要望があれば茨城工場(茨城県茨城町)での生産も視野に入れる。

開発を進める次世代のLFPは、早くても2028年度以降に投入される新型車からの採用を目指す。エネ密度は現行LFPと現行三元系LiBとの、ほぼ中間が目標で、約10年前の三元系LiBに相当する。LFPは三元系LiBに比べてエネ密度や低温特性が不利だが、安価かつ長寿命で熱暴走しにくいという長所がある。

中国のみならず世界的にエントリーモデルのEVを中心に、コストと航続距離のバランスの見合いで、車載電池は三元系LiBからLFPへの転換が進んでいる。一方、国内で販売する日系OEMの生産車でLFPを採用するEVは、一部の軽や輸入車にとどまる。

AESCグループでは現在、中国と米国でLFPを生産し、スペインでの生産開始も予定する。日本では三元系LiBを主流としてきたこともあり、他社を含めてLFPを生産する工場はない。日産自動車が25年に北九州市でLFPの新工場を計画したものの、経営再建に伴う投資の見直しで建設を断念した。

AESCジャパンの茨城工場は、日産の新型「リーフ」やホンダの「N―VANe:」をはじめとする軽EVプラットフォーム(車台)向けに、第5世代三元系LiBを生産している。生産能力は6ギガワット時(ギガは10億)で、リーフの生産開始やホンダの小型EV「スーパーワン」のヒットにより、フル生産の状態が続く。

AESCジャパンは今後のEV国内生産拡大を見据え、より航続距離を長くする三元系LiBの「第6世代」、よりコスト競争力の高い次世代LFPの2本柱で提案を進める。

AESCは日産とNECなどが設立したオートモーティブエナジーサプライが前身。現在は中国エンビジョングループ(遠景科技集団)傘下にあり、日産も少数株式を持ち続けている。

ソース:軽EV向け、国内生産視野…AESCが提案する「次世代リン酸鉄リチウムイオン電池」の性能(ニュースイッチ) – Yahoo!ニュース