SamsungとStellantis、米にEVバッテリー工場建設へ

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Samsung SDIと自動車メーカーのStellantisは2022年5月24日(米国時間)、米国の自動車製造のラストベルト(米国中西部を中心とする、主要産業が衰退した工業地帯)に、EV(電気自動車)用バッテリー工場を建設すべく、合弁事業を行うことで合意したと発表した。投資額は25億米ドル以上。2025年に生産を開始する予定のインディアナ州ココモの工場は、当初の年間生産能力は23ギガワット時(GWh)だが、今後数年で33GWhに増強することを目標としている。  StellantisのEV需要が軌道に乗れば、投資総額は31億米ドルに増額される見通しだという。StellantisのCEO(最高経営責任者)を務めるCarlos Tavares氏は、CNBCとのインタビューで、「2024年から2025年の間に、バッテリーの原材料の不足が顕著になり、EV向けバッテリーが不足する見通しだ。これにより、2027年から2028年にかけてEVの普及が鈍化すると予想される」と述べている。  Tavares氏はプレスリリースで、「われわれが、欧州と北米における5つのギガファクトリーで支える積極的な電動化戦略を打ち出したのは、わずか1年前のことだ。今回の発表は、当社のグローバルなバッテリー生産をさらに増強し、将来的な脱炭素の実現に向けた意欲を示すものである」と述べている。  Samsung SDI/StellantisのEVバッテリー合弁事業の成立と同時期に、世界最大の電子機器受託メーカーである台湾のFoxconnが、隣接するオハイオ州の電気トラック生産工場の買収に合意している。  Foxconnは2022月5月、オハイオ州ロードタウンにある、かつてはGM(General Motors)が所有していた工場を2億3000万米ドルで買収することに合意した。Appleの「iPhone」の最大手製造企業とされるFoxconnは、電気トラックメーカーのFiskerを含む顧客向けにEVを製造する計画だ。  ココモのバッテリー工場は、周辺地域に1400人の新規雇用を創出すると予測される。Tavares氏は、ココモを「当社にとって長く豊かな歴史を持つ都市」と呼んでいる。米国でChryslerとDodge、Ramの車両を製造するStellantisは2021年、約2億3000万米ドルを投じて市内の3工場を改修し、ガスエンジンやハイブリッドシステムに使用できるトランスミッションを製造する計画を発表した。  Samsung SDIは、Stellantisとの合弁事業の一員として、バッテリーおよび電子材料技術を提供する。  Samsung SDIのCEOを務めるYoonho Choi氏は、「Stellantisとの合弁事業を通じて、急成長する北米のEV市場で確固たる足場を築くことができた。われわれは、気候変動の目標達成に向けて貢献を続けていく」と述べている。

ソース:SamsungとStellantis、米にEVバッテリー工場建設へ(EE Times Japan)